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PRPは「濃さ」より血小板の総数が大事?最新研究から考える
PRPは「濃さ」だけ見ればよい?
PRP療法では、「血小板を何倍に濃縮したか」がよく注目されます。
たとえば、「血小板を5倍に濃縮したPRP」と聞くと、効果が高そうに感じます。
しかし最近は、濃度だけではなく、実際に関節内へ何個の血小板を投与したのかという「総血小板数」が重要ではないかと考えられるようになっています。
5倍濃縮だけでは投与量は分からない
たとえば、100万個/μLのPRPを1mL投与した場合と、同じ100万個/μLのPRPを6mL投与した場合では、濃度は同じでも実際に投与される血小板の総数は6倍違います。
さらに、もともとの血液中の血小板数にも個人差があります。
そのため「何倍濃縮したか」だけでは、実際の投与量を正確に評価できません。
2025年の研究では総血小板数でPRPを分類
2025年に発表されたシステマティックレビュー・メタ解析では、変形性膝関節症の32試験を、1回に投与された総血小板数によって、低用量10〜50億個、中用量50〜100億個、高用量100億個超に分類しました。
ヒアルロン酸との比較では、いずれの群でも改善を認めましたが、50〜100億個の「中用量群」で特に大きな効果量が確認されました。
非常に興味深い結果ですが、100億個を超えればさらに良くなるという結果ではありませんでした。
28億個と56億個を比較したRCT
別のランダム化比較試験では、早期変形性膝関節症に対して、約28億個と約56億個の血小板を投与するPRPを比較しています。
56億個を投与した群の方が、6か月までの痛みや機能で良好な結果を示しました。
一方で、投与後数日間の痛みやこわばりは高用量群で多くみられました。
「50億個以上あれば必ず効く」わけではない
これらの研究から、総血小板数はPRPの効果を考えるうえで重要な指標である可能性があります。
一方、「50億個を超えれば必ず効く」「100億個ならもっと効く」と断定できる段階ではありません。
患者さんの重症度、PRP中の白血球、投与量、投与回数なども結果に影響します。
PRPは濃度と総数の両方を見る
血小板濃度が低すぎれば、十分な総数を確保するために大量のPRPが必要になります。
逆に、非常に高濃度でも投与量が少なければ、血小板総数は十分ではない可能性があります。
したがって、「血小板濃度 × PRP投与量 = 総血小板数」という考え方が重要です。
TGOC®式PRP療法で重視していること
PRPは「採血して遠心分離して注射すればすべて同じ」ではありません。
当院では、作製後の血小板濃度、投与するPRP量、総血小板数、白血球の量、赤血球の混入、投与する部位、投与回数などを総合的に考えます。
PRP治療では、「何倍濃縮したか」だけではなく、「実際に何個の血小板を患部へ届けたのか」まで考えることが重要だと考えています。
まとめ
PRPでは血小板の「濃度」だけでは治療内容を十分に表せません。
最近の研究では、変形性膝関節症に対して50〜100億個程度の総血小板数を投与した研究で良好な結果が報告されています。
ただし、最適な血小板数はまだ確立しておらず、「多ければ多いほど良い」わけでもありません。
今後のPRP療法では、濃縮倍率だけではなく、総血小板数を評価することがより重要になってくると考えられます。
PRP療法について詳しくはコチラをご覧ください。
文責:高輪ゲートウェイ駅前整形外科クリニック 院長 松﨑 時夫
<参考文献>
・Platelet-rich plasma outcomes in knee osteoarthritis are associated with the amount of total deliverable platelets: A systematic review and meta-analysis. PM&R. 2025. doi:10.1002/pmrj.13455.
・Comparison of Conventional Dose Versus Superdose Platelet-Rich Plasma for Knee Osteoarthritis: A Prospective, Triple-Blind, Randomized Clinical Trial. Am J Sports Med. 2024.