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肉離れにPRPは有効?スポーツ復帰を早めることはできるのか
肉離れにPRPは有効?
ハムストリングなどの肉離れは、スポーツ選手に非常に多いけがです。
さらに問題なのは、一度治ったように見えても再発しやすいことです。
そこで、筋損傷に対するPRP療法がスポーツ復帰を早める可能性について研究されています。
肉離れは「筋肉が切れる」けが
肉離れでは、筋線維そのものだけでなく、筋肉と腱の移行部や腱膜が損傷することがあります。
軽症であれば比較的早く復帰できますが、腱成分を含む損傷や大きな損傷では復帰まで時間がかかります。
そのため、MRIや超音波画像だけでなく、筋力や走行能力を確認しながら復帰を判断する必要があります。
PRPは筋肉の修復を助ける可能性がある
PRPにはPDGF、TGF-β、IGF-1など、組織修復に関係するさまざまな因子が含まれています。
理論的には筋損傷後の修復反応をサポートする可能性があります。
ただし、臨床研究では結果が一定しているわけではありません。
2025年のメタ解析
2025年に発表されたシステマティックレビュー・メタ解析では、ハムストリング損傷に対する8研究、330人が解析されました。
PRP+理学療法では、理学療法のみと比較して競技復帰までの期間が平均約2.3日短縮していました。
再受傷率も低下する傾向はありましたが、統計学的には明確な差ではありませんでした。
つまり「PRPを打てば劇的に早く復帰できる」というデータではありません。
PRPより重要なのはリハビリ
肉離れからの復帰では、痛み、可動域、筋力、遠心性筋力、ランニング、スプリント、競技特有の動作を段階的に戻すことが重要です。
ハムストリング損傷の国際コンセンサスでも、競技復帰は日数だけではなく、症状、筋力、走行・スプリント能力などを組み合わせて判断することが推奨されています。
TGOCにおける肉離れの考え方
PRPを使用する場合でも、注射だけで治療を完結させることはありません。
超音波などで損傷部位を確認し、その後のリハビリテーションと組み合わせて復帰を目指します。
競技レベルが高い選手ほど、「痛みがない」だけで復帰せず、筋力や競技動作まで確認することが大切です。
まとめ
PRPは肉離れからの競技復帰をわずかに早める可能性がありますが、現時点では効果を断定できるほど強いエビデンスではありません。
肉離れの治療の中心は、適切な負荷を段階的に加えていくリハビリテーションです。
PRPはその過程を補助する選択肢の一つとして考えるのが適切です。
PRP療法について詳しくはコチラをご覧ください。
文責:高輪ゲートウェイ駅前整形外科クリニック 院長 松﨑 時夫
<参考文献>
・Effect of Platelet-Rich Plasma Injection in Hamstring Injury: A Systematic Review and Meta-Analysis. 2025.
・London International Consensus and Delphi study on hamstring injuries part 3. Br J Sports Med. 2023.