ヘバーデン結節
ヘバーデン結節(第1関節の変形性関節症)について
ヘバーデン結節は、指先に最も近い「第1関節」に変形性関節症が起こり、痛み、腫れ、こわばり、変形などが現れる病気です。
医学的には、第1関節を「DIP関節」または「遠位指節間関節」と呼びます。
関節の手の甲側に骨のとげである骨棘が形成され、2つのコブのように見えることから、ヘバーデン結節と呼ばれています。
示指から小指まで、どの指にも発症します。複数の指や左右両方の手に現れることもあります。
親指にはDIP関節がありませんが、同じ位置に相当するIP関節に変形性関節症が起こる場合があります。
発症初期には、第1関節が赤く腫れ、押したときや指を使ったときに痛みます。
症状が進むと、関節の側方への曲がり、コブ状の隆起、曲げ伸ばしの制限などが現れます。
炎症が落ち着くにつれて痛みが軽くなることもありますが、形成された骨棘や関節の変形が元の形へ完全に戻るとは限りません。
治療では、指先への負担を調整し、テーピングや装具、外用薬、鎮痛薬などを使用します。
強い痛みが続く場合、関節が不安定な場合、日常生活に大きな支障がある場合には、注射や手術を検討することがあります。

第1関節の構造
指の骨は、指先側から次のように並んでいます。
・末節骨
・中節骨
・基節骨
末節骨と中節骨の間にある関節がDIP関節です。
DIP関節の骨表面は、滑らかな関節軟骨で覆われています。
関節軟骨には、骨同士の摩擦を減らし、指へ加わる衝撃を吸収する役割があります。
関節は関節包や側副靱帯などで支えられ、手の甲側には指を伸ばす伸筋腱、手のひら側には指を曲げる屈筋腱があります。
ヘバーデン結節では、関節軟骨がすり減り、骨同士の間隔が狭くなります。
軟骨が傷むと、関節の縁に骨棘が形成され、関節包や周囲の組織にも炎症が起こります。
進行すると、次のような変化が現れます。
・関節軟骨の摩耗
・関節裂隙の狭小化
・骨棘の形成
・軟骨下骨の硬化
・骨嚢胞
・関節の傾きや変形
・関節可動域の低下
・側方への不安定性
ヘバーデン結節の原因
ヘバーデン結節の原因を一つに特定することはできません。
加齢、体質、遺伝的な傾向、手指への繰り返す負担など、複数の要因が関係すると考えられています。
年齢による関節の変化
年齢とともに関節軟骨の水分量や弾力が低下し、長年の使用によって軟骨が傷みやすくなります。
一般に40歳代以降の女性に多くみられますが、男性や若い方に発症することもあります。
体質・家族内での発症
母親や祖母、姉妹など、家族内で複数の方にヘバーデン結節がみられることがあります。
単一の遺伝子だけで決まる病気ではありませんが、手指の関節症を起こしやすい体質には遺伝的な要素が関係すると考えられています。
家族にヘバーデン結節があるからといって、必ず発症するわけではありません。
手や指への繰り返す負担
指先を繰り返し使用する仕事や家事によって、痛みや炎症が強くなる場合があります。
次のような動作が負担になることがあります。
・強くつまむ
・硬い物を押す
・瓶やペットボトルのふたを開ける
・布を強くつまんで引っ張る
・細かな部品を繰り返し扱う
・キーボードや楽器を長時間操作する
・裁縫、編み物、手芸をする
・包丁やはさみを使用する
・指先で荷物を持つ
・農作業や園芸を行う
手を使うことだけが原因ではありませんが、炎症が強い時期に負担を続けると、痛みが長引くことがあります。
ホルモンバランスとの関係
更年期以降の女性に多いことから、女性ホルモンの変化との関係が考えられています。
ただし、女性ホルモンの低下だけで発症する病気とは断定できません。
ホルモン補充療法、エクオールや特定のサプリメントによって、ヘバーデン結節の変形を確実に予防・改善できるとは確立されていません。
サプリメントだけに頼らず、痛みや変形がある場合には医療機関で状態を確認することが大切です。
外傷後
突き指、骨折、脱臼、腱損傷などによって関節面が傷つくと、外傷後の変形性関節症が起こることがあります。
1本の指だけに強い変形がある場合や、けがの後から症状が始まった場合には、外傷後関節症を考えます。
主な症状
第1関節の痛み
初期には、第1関節を押したときや、指を曲げ伸ばししたときに痛みます。
次のような動作で症状が強くなることがあります。
・瓶やペットボトルのふたを開ける
・洗濯ばさみをつまむ
・ボタンを留める
・文字を書く
・スマートフォンを操作する
・包丁やはさみを使う
・雑巾やタオルを絞る
・硬い物を押す
・荷物のひもを指へかける
赤み・腫れ・熱感
炎症が強い時期には、第1関節が赤く腫れ、熱を持つことがあります。
触れただけでも痛む場合や、夜間にうずく場合もあります。
赤みや熱感が急速に広がる場合、傷や発熱を伴う場合には、感染症なども確認する必要があります。
コブ状の隆起
関節の手の甲側に骨棘が形成され、伸筋腱を挟むように2つのコブが現れます。
これが「ヘバーデン結節」と呼ばれる特徴的な変化です。
コブは硬く、関節の変形が進むにつれて目立つようになることがあります。
指の曲がり・変形
関節軟骨の摩耗や靱帯のゆるみによって、指先が左右どちらかへ曲がることがあります。
変形の程度には個人差があり、ヘバーデン結節があっても、すべての方で強い変形が起こるわけではありません。
曲げ伸ばしの制限
関節の腫れ、骨棘、関節面の変形などによって、指を十分に曲げ伸ばしできなくなることがあります。
指先が完全に曲がらず、握り込みにくくなる場合もあります。
握りにくさ・つまみにくさ
複数の指に痛みや変形があると、強く握る、細かな物をつまむといった動作が難しくなります。
痛みによって力を入れられず、握力が落ちたように感じることもあります。
こわばり
起床時や、指をしばらく動かしていなかった後に、関節がこわばることがあります。
変形性関節症によるこわばりは、動かしているうちに軽くなることがあります。
朝のこわばりが長時間続く場合や、多くの関節が左右対称に腫れている場合には、関節リウマチなども確認します。
痛みが落ち着く場合がある
炎症が続いた後、時間の経過とともに痛みや赤みが軽くなることがあります。
ただし、痛みがなくなっても、関節の硬さや骨棘、変形は残る場合があります。
「痛みがないため治った」とは限りませんが、変形が残っていても日常生活に大きな支障がなければ、必ずしも手術が必要ではありません。
粘液嚢腫(ミューカスシスト)との関係
ヘバーデン結節では、第1関節の近くに透明または半透明の水ぶくれのようなしこりができることがあります。
これを「粘液嚢腫」または「ミューカスシスト」と呼びます。
粘液嚢腫は、DIP関節から発生するガングリオンの一種です。
関節症によって形成された骨棘や関節包の変化を背景として、関節液に似たゼリー状の液体が皮膚の下へたまります。
粘液嚢腫の症状
・第1関節の手の甲側に透明なしこりがある
・しこりの大きさが変化する
・押すと痛い
・皮膚が薄くなる
・爪に縦方向の溝や変形ができる
・透明なゼリー状の液体が出る
しこりが爪の根元を圧迫すると、爪に溝やへこみができることがあります。
自分で針を刺さないでください
粘液嚢腫は関節内とつながっている場合があります。
自分で針を刺す、皮膚を破る、液体を絞り出すと、細菌が関節内へ入り、化膿性関節炎を起こす危険があります。
皮膚が破れた場合には清潔なガーゼで保護し、早めに医療機関を受診してください。
ヘバーデン結節の経過
ヘバーデン結節は、一般的に慢性的に経過します。
初期には、関節の赤み、腫れ、強い痛みが数か月から長期間続くことがあります。
炎症が落ち着くと痛みは軽くなる場合がありますが、関節のコブ、曲がり、可動域制限などが残ることがあります。
また、一つの関節の痛みが落ち着いた後、別の指の第1関節に症状が現れる場合があります。
進行の速さや変形の程度には個人差があります。
画像上の変形が強くても痛みが少ない方もいれば、変形が軽くても強い痛みを感じる方もいます。
治療方針は、見た目やX線所見だけでなく、痛みと日常生活への影響を踏まえて決定します。
ほかの病気との違い
ブシャール結節との違い
ブシャール結節は、指の中央にある第2関節、医学的にはPIP関節に起こる変形性関節症です。
ヘバーデン結節は第1関節、ブシャール結節は第2関節に発症します。
両方を同時に発症する場合もあります。
関節リウマチとの違い
関節リウマチでは、手首や指の付け根のMP関節、第2関節などに炎症が起こりやすく、第1関節だけが中心となることは一般的ではありません。
左右の複数関節が腫れる、朝のこわばりが長く続く、全身のだるさがある場合には、関節リウマチを確認します。
ヘバーデン結節と関節リウマチを同時に発症することもあります。
乾癬性関節炎との違い
乾癬性関節炎では、第1関節が腫れたり変形したりすることがあります。
爪の点状のへこみ、爪が浮く、皮膚の乾癬、指全体が腫れるなどの症状を伴う場合があります。
変形性関節症とは治療方法が異なるため、皮膚や爪の症状も確認します。
痛風・偽痛風との違い
尿酸やカルシウム結晶による関節炎では、関節が突然赤く腫れ、安静時にも強く痛むことがあります。
症状が急激に始まった場合には、血液検査や関節液検査などを検討します。
化膿性関節炎との違い
細菌感染によってDIP関節に化膿性関節炎が起こると、強い赤み、腫れ、熱感、安静時痛が現れます。
傷、ささくれ、粘液嚢腫からの液体漏れなどをきっかけに発症することがあります。
緊急の抗菌薬治療や手術が必要になる場合があります。
マレット指との違い
マレット指は、突き指などによって指を伸ばす腱が切れたり、末節骨が骨折したりして、指先が伸ばせなくなる外傷です。
ヘバーデン結節でも変形によって指先が曲がることがありますが、発症の経過やX線所見が異なります。
急な外傷後に指先を伸ばせなくなった場合には、マレット指を疑います。
ばね指との違い
ばね指では、指の付け根の手のひら側に痛みや引っかかりが起こります。
ヘバーデン結節では、指先に最も近い関節の痛みと変形が中心です。
両方を同時に発症することもあります。
粘液嚢腫以外のしこりとの違い
腱鞘巨細胞腫、粉瘤、皮膚腫瘍などでも、指にしこりができることがあります。
しこりが急速に大きくなる、硬く固定されている、出血しやすい場合には、詳しい評価が必要です。
高輪ゲートウェイ駅前整形外科クリニックで行う検査
問診
症状の始まり方、痛み、変形、生活への影響などを確認します。
主に次のような点を確認します。
・どの指の第1関節が痛むか
・赤みや腫れがあるか
・いつから変形が始まったか
・症状が急に始まったか、徐々に進んだか
・指を使うと痛むか
・朝のこわばりはどのくらい続くか
・ほかの指や手首にも症状があるか
・透明なしこりや液体漏れがあるか
・爪の変形があるか
・突き指、骨折、切り傷などの既往があるか
・皮膚の乾癬や爪の異常があるか
・家族にも同じような指の変形があるか
・糖尿病、関節リウマチ、痛風などがあるか
視診・触診
第1関節の腫れ、赤み、骨性の隆起、曲がりなどを確認します。
関節のどの部分に痛みがあるか、骨棘があるか、粘液嚢腫がないかを調べます。
皮膚が薄くなっている場合や液体が漏れている場合には、感染の兆候も確認します。
関節可動域検査
第1関節をどの程度曲げ伸ばしできるかを確認します。
自力で動かせる範囲と、外から補助すれば動かせる範囲を比較します。
痛みや炎症が強い場合には、無理に関節を動かしません。
腱機能の確認
指を伸ばす伸筋腱と、曲げる屈筋腱の機能を確認します。
指先を自力で伸ばせない場合には、マレット指や伸筋腱断裂なども考えます。
X線検査
X線検査では、次のような変化を確認します。
・関節裂隙の狭小化
・骨棘
・軟骨下骨硬化
・骨嚢胞
・関節面の不整・破壊
・関節の傾きや亜脱臼
・過去の骨折や外傷後変形
典型的な症状とX線所見から、ヘバーデン結節と診断します。
超音波検査
超音波検査では、次のような状態を確認できる場合があります。
・関節内の液体貯留
・滑膜炎
・骨棘
・伸筋腱・屈筋腱の状態
・粘液嚢腫
・粘液嚢腫と関節とのつながり
・腫瘍など、ほかのしこり
超音波だけで関節軟骨の障害全体を評価することはできないため、必要に応じてX線検査と組み合わせます。
血液検査
典型的なヘバーデン結節では、血液検査に特徴的な異常が出るとは限りません。
次のような場合には、ほかの病気との区別を目的として血液検査を検討します。
・複数の関節が左右対称に腫れている
・朝のこわばりが長く続く
・関節リウマチが疑われる
・乾癬性関節炎が疑われる
・急激な赤みと腫れがある
・痛風や感染症が疑われる
・発熱や全身症状を伴っている
MRI検査
典型的なヘバーデン結節では、MRI検査が必要になることは多くありません。
腫瘍、腱損傷、骨感染、特殊な関節炎などが疑われ、X線や超音波だけでは判断できない場合に検討します。
必要に応じて、MRI検査が可能な医療機関へ紹介します。
当院にはMRI装置は設置しておりません。MRI検査が必要と判断した場合には、提携医療機関をご案内し、そちらで撮影を受けていただきます。
ヘバーデン結節に対する治療
ヘバーデン結節の治療目的は、痛みと炎症を抑え、関節機能をできるだけ保ち、日常生活への影響を減らすことです。
一度形成された骨棘や関節軟骨の摩耗を、薬やマッサージだけで完全に元へ戻すことはできません。
画像上の変形があっても、痛みや生活上の支障が少なければ、手術を行わず経過をみることができます。
保存療法
指先への負担を調整する
痛みや腫れが強い時期には、指先へ強い負担をかける動作を減らします。
次のような工夫が役立ちます。
・重い袋を指先へかけない
・瓶やふたには開栓補助具を使用する
・硬いボタンを指先だけで押さない
・洗濯ばさみは弱い力で開けられるものを使う
・道具の柄を太くする
・細かな作業を連続して行わない
・作業の途中に休憩を入れる
・痛む指以外や両手を使う
・指先ではなく手のひら全体で物を支える
手を完全に使わない必要はありません。
痛みを我慢して強い負担を繰り返さないことが重要です。
テーピング・装具療法
痛みのある第1関節をテーピングや小型の装具で保護します。
関節の過剰な動きを抑えることで、作業時の痛みを軽減できる場合があります。
関節を締めつけすぎると、血流障害や皮膚トラブルを起こす可能性があります。
指先が冷たい、白い、青紫色になる、しびれる場合には、すぐに外してください。
長期間動かさないと関節が硬くなるため、固定時間は症状に合わせて調整します。
当院ではヘバーデンリングという特殊な装具を使用して治療することもございます。
冷却・温熱
赤み、腫れ、熱感がある時期には、タオルで包んだ保冷剤を短時間当てると、症状が軽くなる場合があります。
慢性的なこわばりがあり、赤みや熱感がない場合には、入浴などで温めると動かしやすくなることがあります。
強い赤みや発熱がある場合には、自己判断で温めず受診してください。
外用薬・鎮痛薬
痛みに対して、消炎鎮痛作用のある塗り薬や貼り薬、内服薬を使用することがあります。
薬の種類は、胃腸・腎臓・心臓の状態や、ほかに服用している薬を確認して選択します。
薬物療法は痛みを軽減するための治療であり、変形した関節を元の形へ戻すものではありません。
関節運動・リハビリテーション
痛みが強くない範囲で、指をゆっくり曲げ伸ばしします。
動かせる範囲を維持し、過度なこわばりを予防することが目的です。
痛みを我慢して強く曲げる、反対の手で無理に押す、変形を力で矯正するといった方法は避けます。
急性期に強い握力トレーニングを行うと、炎症が悪化する場合があります。
関節内ステロイド注射
赤み、腫れ、痛みが強く、ほかの保存療法で十分に改善しない場合には、選択された症例で関節内ステロイド注射を検討することがあります。
DIP関節は非常に小さく、伸筋腱、皮膚、爪をつくる組織などが近接しています。
注射には、次のようなリスクがあります。
・感染
・皮膚の色調変化
・皮下脂肪の萎縮
・腱損傷
・一時的な痛みの増加
・糖尿病患者さまの血糖上昇
注射によって骨棘や変形がなくなるわけではなく、効果が一時的な場合もあります。
注射を短期間に繰り返すことは避け、適応を慎重に判断します。
体外衝撃波治療
慢性的な痛みが続く場合には、体外衝撃波治療を検討することがあります。
当院では数多くのヘバーデン結節に対して治療しております。
治療中や治療後に一時的な痛み、赤み、皮下出血などが生じることがあります。
すべてのヘバーデン結節に同じ効果が得られるわけではありません。
体外衝撃波治療は、保険適用外の自費診療となります。
体外衝撃波治療について詳しくはコチラ
PRP療法
PRP療法は、患者さんご自身の血液を採取し、血小板を多く含む成分を抽出して、DIP関節内へ注入する治療です。
長期間の保存療法を行っても症状が改善しないヘバーデン結節に対して、検討することがあります。
PRP療法の効果には個人差があり、すべての方に同じ効果が得られるわけではありません。
注射後には、一時的に痛みや腫れが強くなることがあります。
PRP療法は保険適用外の自費診療です。
PRP療法について詳しくはコチラ
サプリメントについて
エクオール、グルコサミン、コンドロイチンなどが紹介されることがありますが、ヘバーデン結節の変形を確実に防止・改善する効果は確立されていません。
サプリメントを使用している間も、痛みや変形が進む場合には整形外科を受診してください。
粘液嚢腫に対する治療
小さく、痛みや皮膚障害がない粘液嚢腫は、経過観察できる場合があります。
大きさが変化し、自然に小さくなることもあります。
ただし、次のような場合には治療を検討します。
・痛みが強い
・皮膚が非常に薄くなっている
・何度も液体が漏れる
・感染を繰り返す
・爪の変形が強い
・日常生活で頻繁にぶつかる
針で内容物を吸引しても再び液体がたまることがあり、関節内へ感染を起こす危険もあります。
手術では、嚢腫だけでなく、関節とのつながりや骨棘を処置することがあります。
手術後も変形性関節症そのものは残るため、嚢腫が再発する可能性があります。
手術治療・専門医療機関への紹介
次のような場合には手術を検討します。
・十分な保存療法を行っても強い痛みが続く
・痛みにより仕事や家事が難しい
・関節の不安定性が強い
・変形が進み、指を使いにくい
・粘液嚢腫から繰り返し液体が漏れる
・皮膚障害や爪の変形がある
・骨棘や変形による強い引っかかりがある
手術が必要な場合には、手外科・上肢外科を専門とする医療機関へ紹介します。
手術後のリハビリテーション
手術後は傷と固定部を保護しながら、固定されていない関節を動かします。
指全体を動かさない状態が続くと、第2関節や指の付け根まで硬くなる可能性があります。
医師から許可された範囲で、ほかの関節の曲げ伸ばしを行います。
手術後は次の点に注意します。
・手を心臓より高く保つ
・傷を濡らさない
・固定を自分で外さない
・重い物を持たない
・指先へ強い力を加えない
・指輪を着けない
・指定された診察とX線検査を受ける
傷の赤み、強い腫れ、膿、発熱、指先の冷たさや色の変化がある場合には、速やかに手術を受けた医療機関へ連絡してください。
自宅でのセルフケア
ヘバーデン結節の痛みがある場合には、指先へ加わる力を分散させることが大切です。
日常生活では、次の点を意識しましょう。
・買い物袋を指先へかけない
・瓶やふたには補助具を使用する
・重い物は両手や手のひらで持つ
・硬い物を指先だけで押さない
・道具の柄を太くする
・作業を長時間続けない
・赤く腫れている関節を強く揉まない
・曲がった指を力でまっすぐにしない
・痛む関節を何度も曲げ伸ばしして確認しない
・粘液嚢腫へ針を刺さない
・テーピングや装具を締めすぎない
痛みが落ち着いている時期には、無理のない範囲で日常的に指を動かし、関節が過度に硬くならないようにします。
ヘバーデン結節でお悩みの方へ
次のような症状がある場合には、ヘバーデン結節の可能性があります。
・指先に最も近い関節が痛む
・第1関節が赤く腫れている
・第1関節に硬いコブがある
・指先が左右へ曲がってきた
・指を曲げ伸ばししにくい
・強く握る、つまむと痛む
・複数の指に同じ症状がある
・第1関節に透明なしこりがある
・爪に縦の溝や変形がある
・家族にも同じような指の変形がある
・市販薬やテーピングで改善しない
・数週間以上痛みが続いている
早めの受診が必要な症状
次のような場合には、感染症、骨折、腱損傷、炎症性関節炎などの可能性があります。
・関節が急に赤く大きく腫れた
・安静にしていても激しく痛む
・発熱や悪寒を伴っている
・傷や粘液嚢腫から膿が出ている
・透明なしこりの皮膚が破れている
・外傷後から指先を伸ばせない
・指先が白い、青紫色になっている
・指先が冷たい、感覚がない
・複数の関節が同時に腫れている
・朝のこわばりが長時間続く
・皮膚や爪に乾癬を疑う変化がある
ヘバーデン結節でお悩みの方はご相談ください
感染が関節内へ広がると、短期間で軟骨が傷む可能性があります。
赤み、熱感、強い安静時痛、発熱、液体や膿の排出がある場合には、早めに医療機関を受診してください。
診察では、関節の腫れ、変形、可動域、腱機能などを確認し、必要に応じてX線検査を行います。
X線検査では、関節裂隙の狭小化、骨棘、関節面の変形などを評価します。
粘液嚢腫や腱、関節周囲の炎症を確認する場合には、超音波検査を用いることがあります。
関節リウマチ、乾癬性関節炎、痛風、感染症などが疑われる場合には、血液検査や専門医療機関での評価を検討します。
治療では、指先への負担の調整、テーピング・装具、薬物療法、リハビリテーションなどを行います。
強い痛みや不安定性が続く場合、粘液嚢腫による皮膚障害がある場合、手術が必要な場合には、手外科・上肢外科を専門とする医療機関と連携して対応します。
当院では、関節の腫れや変形、可動域、腱機能を確認し、X線検査や超音波検査などを組み合わせて診断します。
関節リウマチ、乾癬性関節炎、痛風、感染症などが疑われる場合には、血液検査や専門医療機関での評価を検討します。
監修:高輪ゲートウェイ駅前整形外科クリニック 院長 松﨑 時夫